大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和30年(す)238号 決定

本籍

東京都墨田区寺島町二丁目一二七番地

住居

不明(宮城刑務所在監)

加藤幸作

右に対する詐欺被告事件について当裁判所が昭和三〇年六月九日なした上告棄却の決定に対し、申立人から裁判の解釈の申立があつたので、当裁判所は次のとおり決定する。

"

主文

本件申立を棄却する。

理由

本件申立理由は、別紙裁判解釈書交付願と題する書面記載のとおりである。

刑訴五〇一条にいう「裁判の解釈について疑があるとき」とは、裁判の主文の趣旨が明瞭でなく、その解釈につき疑義がある場合のことで、被告人の上告を棄却した本件はかような疑義なきこと明瞭であるのみでなく、刑訴法にいう刑の言渡をした裁判所ともいえないから、右いずれの点からも本件申立は不適法で棄却すべきものである。

よつて裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 真野毅 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 岩松三郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例